プレゼン大成功なのに、アンケートに「不満たらたら」のなぜ

先日、半年間のシリーズ物の研修の受講者アンケート結果を、聞きに行ってき
ました。

この研修の 発表会(プレゼン)は2月に実施され、4つのグループが
自分たちの会社の経営者や上司を前に提言を行ったのですが、
いずれも出来が良く、聞いて頂いた経営者・上司の方々からも
大変評判が良く、その後に行われた懇親会も大変盛り上がりました。

このため、受講者のアンケート結果もさぞやいいだろうと思って、
聞きに行ったのですが、予想に反して、そうではありませんでした。

研修自体は、大変ためになって良かったということだったのですが、
やれ、時間外が多く取られて大変だとか、
評価・判断基準が曖昧だとか、
顧客と仕事は待ってくれないとか、
学びたいことが学べなかったとか、

こちらからすると、「不満たらたら」の感想だらけだったのです。

どうしてこういうことになっちゃったんでしょうか?
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キーワードは、「ギャップ」ということなんじゃないかと感じています。

いくつかのギャップがあると思います。

(1)想定していたワークと実際のワークとのギャップ
・この講座の受講者は、あまり事前に講座に関する事前情報を得ないで、
「とくかく会社から選ばれたから受けて来い」等と言って上司から伝えられる
ことが多く、想像していたワークよりも、かなり多くの負荷が掛かって、
それをこなすのが大変だったということ

(2)働き方改革対応とこの種の研修の前提とのギャップ
・最近の働き方改革では、とにかく残業を減らせということで時間外に対する
締め付けが厳しくなっています。
・中には、時間外にパソコンを使えなくしてしまうという極端な対応をしている会社もあります
・それに対して、この種の研修は、受講者に負荷を掛けて、一種の「修羅場体験」を
積ませることで、チームワークや個人の成長を促す側面があります。
・その2つの狭間で、結局本人が何らかの努力でギャップを埋めざるを得なく
なって板挟みになるということが起きているようです。

(3)職場・顧客の期待値と研修サイドの期待値のギャップ
・受講者の所属の職場や顧客は、月に2日の研修+αの作業分の作業ロードを考慮した
対応をしてくれません。
・研修は受けてくれ、でも仕事もきちんとやってねということで、そのギャップは
本人が埋めることになります。
・私も、日産自動車時代に留学の準備で苦労したことがありましたが、会社や上司は、
仕事面では一切考慮なしでした。
・なので、中には体調を崩して、留学を辞退する人やメンタルヘルスを患う人が出ていました。
・今回の研修はそこまでではないわけですが、それでもギャップが大きかったのでしょう。

(4)経営者の期待値と受講者の想定とのギャップ
・最終的には経営者にプレゼンして、満足してもらわなければなりませんが、
そうした経験がある人は少ない/いないので、経験豊富な講師のガイドに従う訳ですが、
その期待値に応えるには、相当の努力が必要なこと。
・生半可な提言では、最終報告会でたしなめられて、残念な結果に終わってしまうので、
そうならないように入念な準備が必要となります。

(5)学校教育と実ビジネスとのギャップ
・学校教育では、必要なことは教師から教えられて、正解もあり、それをよく暗記して、
テストの点数が良ければそれでよいわけですが、実務では、正解がありませんし、
必要なことは自分で学ばなければなりません。
・「研修」だからと言って、学校教育と同じようにすべて教えられるわけではなく、
よい提言のために必要と思われることを自分達で学び取って行かなればなりません。
・その辺りのギャップも大きいでしょうね。

不平・不満の多いアンケート結果を聞かされて、そんなふうに感じているところです。

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